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赤毛のアン、 あらすじを簡単に。重なる「アンとモンゴメリ」

      2018/07/16



「赤毛のアン」は、これまで何度かブームを迎えました。

まず戦後、村岡花子が初めて翻訳・出版したとき。25年後、1979年、テレビアニメとして放映されたとき。

そして、昨年、朝のドラマで村岡花子がフィーチャーされて、またブームが来ました。

しかし、「赤毛のアン」は、いつの時代も女の子の間では人気の小説です。

ただ、翻訳ものにつきものの、訳者による「解釈の違い」や省略があって、どこかしらで論争があることも、確かです。

牧師の妻になりうつ病の夫を看病しつつアンシリーズを書き、自ら68歳で自死した
ルーシー・モード・モンゴメリの出発点。

582px-Copy_of_lucymaudwriteBy KindredSpiritMichael, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11197164

大人になったいま、先入観なく自分の力で読んでみると、また違った魅力があることに驚きます。

単なる児童文学ではなく、奥の深い森のような小説だと感じます。

もちろん、「気づき」は読む人それぞれです。それが文学ですから。

私が、もう一度見返して気づいたことを、何回かでお伝えします。

別のご意見があったら、とてもうれしいことです。

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「赤毛のアン」あらすじ  ~登場人物とストーリー~

プリンスエドワード島(以後、PEIと表記)のアポンリーで農業を営むマシュー・カスパートとマリラ・カスパート兄妹は、男の子を孤児院から引き取ろうとします。

ところが、やってきたのは11歳の赤毛の女の子、アン・シャーリーでした。

60歳で農作業がきついマシューは、男の子が必要なのにもかかわらず、アンを一目で気に入ってしまいます。

アンもこの村の美しさと、二人の住むグリーン・ゲイブルズという切妻屋根の家が「私の家」と感じます。

厳格で実利主義のマリラですが、マシューの「言い出したら、いつの間にか思ったようにする」性格を知っていて、引き取る覚悟をします。


【プリンスエドワード島にある実際のグリーン・ゲイブルズ(写真右側の切妻屋根の家)】

アンは、想像力が豊かでおしやべりで、頭のいい子です。そしてとても正直です。頑固なところもあります。

そんなアンが引き起こす珍事に、初めは怒るマリラですが、その騒ぎがだんだん楽しくなってきます。アンの失敗を、マシューもいろんな形でフォローします。

ダイアナという「心の友」も見つかり、アンは、すっかり村中の人気もの。ただひとり、初対面でアンを「にんじん」とからかったギルバートをのぞいては。

ギルバートは頭のいい好青年です。謝って仲良くしようとするのですが、アンは許しません。

なぜなら痩せっぽちでそばかすだらけであごがとがっていて、容貌に自信のないアンにとって、赤毛はいちばんのコンプレックスだったから。

640px-Landscape_of_PEIBy Dylan Kereluk from White Rock, Canada, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=356741

行くところ行くところ、有り余る想像力と行動力でいろんな騒動を巻き起こしながら、アンは美しく成長します。

ときにはボートが沈んで「死ぬかと思った」冒険もして。そして短大で学び、教師の資格を取ります。アンの願いどおり、奨学金を得てさらに学ぶことになりました。

そんな幸せの絶頂で、マシューが死ぬのです。

目立たないけれど、アンのいちばんの理解者で庇護者だったマシュー。アンとマリラは、深い悲しみに襲われます。

さらにマリラは目の病に罹り、グリーン・ゲイブルズを売る決心をします。ひとりでは、この家はとても維持できない、と。

でも同じころアンも決心していたのです。大学には行かない、マリラを独りにしないし家も売らない、と

これからはアンがマリラを守る人生を歩くのです。村の学校はアンを教師として雇うことにします。それはギルバートが自分の職を譲ったから、叶ったことです。ここでアンとギルバートは仲直りします。

実は、もうとっくにアンは許していたのですが。アン、16歳の夏のこと。

これで「グリーンゲーブルズのアン」は幕を閉じます。でもご存知の通り、アンの物語は、まだまだ続きます。

舞台 プリンスエドワード島

「赤毛のアン」の魅力は、なんといってもPEIの自然の美しさですよね。

640px-Confederation_bridge_pei_2009 By chensiyuan – chensiyuan, GFDL, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7869492

アンが初めて村へやってきた六月、小道には500ヤードにわたって雪のように白いリンゴの花が揺れてます。

「ああ、カスパートさん、カスパートさん」と感動して叫ぶアン。想像しただけで、私たちもうれしくなります。

さらにカスパート家には、大きな桜の気が満開です。アンは「雪の女王」と名付けます。

こうして、PEIの花と緑であふれるなか、物語は進行します。

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PEIは、カナダ東海岸の島。アメリカ合衆国との国境です。

北海道北部と同じ緯度。初夏は宝石のように美しくとも、冬は雪に閉ざされます。
ジャガイモやトマトが生産され、ロブスターなどの魚介も豊富です。

島が一番美しいときに、アンとマリラの話は始まるのですね


【プリンスエドワード島(PEI)no:カナダとアメリカ合衆国との国境付近に位置する】

この島は初めはフランス領、次にイギリス領と政治に翻弄され、USAからの侵略にも遭います。
この島の人たちは、そもそも移民ですから強く頑固で、自立精神にあふれています。

イギリスから独立するとき会議が開かれたのも、このPEIだったそうです。
そうした個性豊かでなににつけても一家言ある人たちが、小説にも登場します。

舞台はそっくりそのまま、作者の育ったPEIなのです。


【プリンスエドワード島の様子:写真は Harbourview Dr(アンの家から車で10分くらい)】

これが「アンの物語」は、作者、ルーシー・モード・モンゴメリの自伝と誤解されてしまう理由です。

だから「フィクションに徹してない」とか「予定調和」なんて批判もあるのです。

たとえそうでも、この話には、もっといろんな要素がたっぷりあるのです。
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