水素自動車の仕組みと原理!問題点は?エンジンはあるの?

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科学・芸術

昨年11月、トヨタが水素を燃料にして走行する燃料電池自動車“MIRAI”を発売しました。

ホンダも年内に同様の車の発売を目指していると発表しています。ここに来て政府の後押しもあり、次世代の車として水素自動車が注目を集めています

特にトヨタは普及の加速を図る目的で、燃料電池自動車の自社特許を、無償で利用できるようにすると発表し、世界を驚かせました。

トヨタとしては地球温暖化に、自動車の排気ガスが世界的に問題になると読んで、自動車メーカーのトップランナーとしていち早く環境問題に取り組む姿勢を示したと言えます。

また世界全体が燃料電池自動車へ移行する弾みを付けたいと言うことで、このような思い切った発表をしたのでしょう。

電池を搭載した電気自動車が発表されて100年以上経ちますが、地球環境を考えガソリン車に代わって発表されたのは近年です。
日本でも乗用車として三菱自動車が2009年i-MiEVを、日産が翌年LEAF(リーフ)を発売しました。

アメリカでも大手自動車メーカーでないテスラモーターズがスポーツカーに大量の電池を搭載した電気自動車を発売し話題をさらいました。

しかし電気自動車は高価格かつ充電ステーションの不足が足かせで、ガソリン車のような普及には至っていません。

そういう状況の中でのトヨタの水素を用いた燃料電池自動車の発表です。
本当にガソリン車に代わる車になるのか考えて見ましょう。

トヨタ新型FCV 新型燃料電池車「MIRAI」発売 – YouTube

トヨタ新型FCV 新型燃料電池車「MIRAI」発売

燃料電池自動車MIRAI 2 – YouTube

燃料電池自動車MIRAI 2
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水素自動車の仕組みと原理を解説!エンジンはあるの?

水素を使った燃料電池自動車は、エンジンを持ちません

その代わりに電気でモーターを回して走行します。

車内の高圧水素ボンベから水素(H2)を燃料電池に送り込み、空気中の酸素(O2)と化学反応を起こし電気を作ります。

即ち 反応式2H2+O2=2H2O+電気エネルギーで、中学時代の理科の実験で行った水(H2O)の電気分解(電気が必要です)の逆反応なので、逆に電気が取り出せるのです。

この式から分かるように大気を汚染する物質(二酸化炭素CO2;煤塵)は排出されません。

環境に優しい車ということだと後は、走行距離がガソリン車と比較してどうかという問題になります。
現在では技術開発が進み、ガソリン車と変わらない走行距離になっています。

1回の水素充填で500Km以上走行できると言うことです。

FCV(燃料電池自動車)のしくみ – YouTube

FCV(燃料電池自動車)のしくみ

水素自動車の課題や問題点は?燃料代は安価か?

1)水素製造時に二酸化炭素(CO2)が排出される!

走行時は電気自動車同様、全く二酸化炭素を排出しない代わり、水素を新たに製造するとなると、石油・天然ガスなどを原料としなければなりません。

どちらも炭化水素化合物なので、水素を取り出すと二酸化炭素が出るのです。原料によってはガソリン車より多くなることもあり得ます。

燃料電池自動車が普及すればするほど水素が足りなくなり、新たに炭化水素化合物を分解させなければなりません。

当面電気自動車の台数が少ない段階では製鉄所・製油所の副産物の水素で賄えるので、排出二酸化炭素のカウントにはなりません。
自然エネルギーで電気を作って水を電気分解すれば全く問題ないでしょうが、自動車の燃料の水素を賄うことは不可能です。

2)水素は安価でない!

先述した通り新たに水素を作ろうとすると、どうしても石油・天然ガスから造らなければならず、ガソリンより高価になります。また短時間で水素を充填しようとすると高圧設備が必要で水素ステーションに多額の投資が必要です。

今のガソリンスタンドの面積では全く足らない程大きなスペースが必要になるのです。

今のガソリンスタンド程度の大きさだとタンクローリーでガソリンを運んでいるのと同様、高圧水素ガスローリー車で運ぶことになります。
一般道路を走行しますので、安全面の十分な対策が必要です。

まとめ

燃料電池自動車だけで排ガスを見れば、明らかにクリーン自動車ということになりますが、水素を造る前工程で二酸化炭素を大量に排出したら、元も子もありません。

総合的に考え、地球環境に優しいエネルギーベストミックスを皆で考えていく必要があるでしょう。

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